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一級建築士資格独学散歩道

一級建築士資格取得までの道のりを散文的に綴ります。

「ひらかれる建築」松村秀一著、ちくまプリマー新書

 一般に資格を取得しようとするときに肝になるのはその分野に対する興味であると、私自身は考えている。これがなければ、学習に対するモチベーションが下がり、結果的にレベルアップが相当に難くなる。モチベーションを上げるためには、いま学習しようとしていることが社会にどのように役立つのかを知ることが必要だ。そのため、私自身は建築に関する書籍をできるだけ読むようにしている。その中で、これは秀逸だと思ったものを今回は紹介したい。

 「ひらかれる建築」(松村秀一、ちくま新書)がそれだ。これまで、伊東豊雄や隈健吾の書籍を読んだが、それとは一味違う。言ってみれば、私たちの生活とリンクした建築の在り方を語っているのだ。

 
 隈健吾は「負ける建築」で、建物がそのデザインにより主張するのではなく、人々の暮らしに溶け込むべきであると述べた。一見「ひらかれる建築」と同じ提案に思えるが、明らかに違うのはその建築が新築か既存の建物かという違いだ。「ひらかれる建築」では、現在の居住空間としての空間資源が潤沢となっている中で、これらの資源をいかに活用していくべきかに重点を置いている。

149ページ

 次にかつて、「「ウサギ小屋」等と揶揄されたような狭すぎるものが多くを占めているのではないか?」という疑問について。そもそも一戸の住宅に住む世帯の人数が年々少なくなっているのだから、かつて当たり前だった4人5人の家族が住むのに手狭だった「箱」も、一人世帯や二人世帯の増えた今日では全く手狭でないという状況がある。厚生労働省国民生活基礎調査によると、1953年5人だった平均世帯人員は、2013年には2.51人になっている。また、1953年には最も多かったのは6人以上の世帯、次いで5人世帯だったが、年とともに世帯は縮小し、2013年には二人世帯と一人世帯が圧倒的で、その二種で過半を占めるに至っている。 

 ここで松村秀一が言及している通り、人口減少が進んだ現在では空間資源が潤沢となり、さらに空き家問題として発展している。戸建て住宅の視点から見ると、空き家対策が重要となるが、現在でも戸数が増え続ける共同住宅の老朽化問題はさらに深刻である。戦前の長屋と異なり、マンションというのは戦後日本が個人主義へ傾倒する中で普及してきた居住環境であり、制度化によるコミュニティの形成が必要な状態なのである。しかし、制度化が実現する前に、建築物としてのマンション老朽化が進み、さらにはコミュニティとしての管理組合の高齢化が進行している。結果、マンションコミュニティでは、もともとの無関心に、老齢化に伴う被支援者の増加が重なり、にっちもさっちもいかない状態になりつつある。建築物としてのマンションが内包する一戸一個の住戸が孤立した状態なのである。実はこの問題に対しては、国交省がすでに対策を検討している。

 
 私もマンションの住民であり、まさにマンション運営上の問題や、建築的な老朽化の問題の当事者である。そこで、現在住まうマンションで行われた大規模修繕工事の修繕委員を買って出た。このときに一級建築士の受験により得た知識は大いに役立っている。
 このように、一級建築士資格取得は、その知識をベースとして実質的に近隣住民のためにその知識を役立てることが可能となるのだ。しかし、どれだけ小さな仕事やあるいは社会貢献であってもやはり信頼という名のニーズはついて回る。弁護士などと同じ士業である建築士は、技術的信頼性と社会的信頼性を兼ねているのである。だからこそ、私は今時間があるうちに、一級建築士を取得しようとしているのであった。
 
 最後に、建築家の今後について、松村秀一氏が「ひらかれる建築」の中で言及しているページを紹介して締めくくりたい。

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 第三世代の民主化の時代、そこでは新たに建物を造ることから、既にある空間資源を利用して暮らしや仕事の「場」を造ることに重心が移る。主役は生活者である。とすると、私のように建築を専門としてきた者は、自身の役割をどのように自覚すれば良いのだろうか。建築界が職能と呼んできたものが大きく見直しを迫られているだろうことは、多くの人の感じているところだと思うが、見直し、転換の先が見通せない。ただ、第二世代の民主化、脱近代の時代に現れた言説の中には、いまだからこそ政治的な意図等とは無縁に援用できるものが多くあり、それを手掛かりに少しでも見通しを良くすることができると、私は考えている。

 もし、この本をすでに読んでいるならお気づきだと思うが、この本にはマンションに関することは殆ど書かれていない。実はこの本の著者である松村秀一氏は、既に2001年に「団地再生」という書籍を著している。おそらく集合上宅における空間資源の問題はすでに言及済みであり、「ひらかれる建築」ではそのスコープを社会そのもの、そして時代に適用しているようだ。

 

ひらかれる建築: 「民主化」の作法 (ちくま新書 1214)

ひらかれる建築: 「民主化」の作法 (ちくま新書 1214)

 

 

負ける建築

負ける建築

 

 

25.弱点補強計画、次は「施工」

 前回そしてその前回と法令集に関する記事を書いてきた。しかし、今回は施工に関する記事を書く。とにかく、これまでの受験の結果、法規と施工が自分の弱点であることが分かったのであるから、今年度はこれを克服するしかないのである。
 そこで、施工克服のための秘策を紹介する。それは……
●一級建築施工管理技術士の資格を取得する「(-.-)
 実際のはこれは昨年度も実施しようとしていたが、やはり試験日程が一級建築士試験と微妙に重なるために避けてきたものだ。
 
たとえば昨年度の場合
       学科試験    実地(製図)試験
 合格発表  7月22日(金) 2月3日(金)
 合格発表  9月6日(火)  12月15日(木)
 
 さて、問題は二次試験、つまり施工管理技士の場合の実地試験と一級建築士の製図試験の日程がほぼ重なっている点である。かりに、両方の学科試験に合格した場合は、おそらく製図試験を捨てる覚悟が必要かもしれない。そもそも、合格する確率が高いものを優先するのが常道である。一級建築士の製図試験については、翌年じっくりとお金と時間をかけて受験するしかないであろう。
 もしかすると、皆さんにとってはこの計画が無謀に思えるかもしれない。しかし、独学で一級建築士資格を取得するには普通の学習方法で太刀打ちしようなどと考えないほうがいいいと、最近は考えるようになった。なにしろ、他の資格試験とは異なり、明らかに過去問の学習だけでは不足なのである。かりに、過去問学習だけで学科試験を取得するなら、おそらく7年分のすべての過去問に対して90%の正答率を確保する必要があるだろう。
 そして、昨年の試験では過去の問題にはない新たな設問が多数加わっている。かつ、法規は改定が多く、これも多くの学科試験問題にかかわってくるのだ。
 
 とにかく、今年は法規と施工の2科目を重点的に習得する予定である。ちなみに「一級建築施工管理技術士」の申し込みは今週中なのである(2月3日から2月17日)。

 

1級建築施工管理技士 学科問題解説集 平成29年度版

1級建築施工管理技士 学科問題解説集 平成29年度版

 

 

24.法令集アンダーライン引きの楽しみ方

 前回に引き続き、法令集に関することである。

 現在でもまだ、昨年使用していたオレンジ本(日建学院版法令集)のアンダーラインを緑本に(総合資格版法令集)転記する作業中である。全1,000ページのうちの先頭200ページ、全体の約2割を占める建築基準法の転記作業がやっと終了した。まだ先は長いのであるが、実は二つの発見をした。

 

1.緑本が有利な理由を発見
 以前のこのブログ記事で外形的なオレンジ本と緑本との違いを解説した。そのときには気が付かなかった違いがある。それは、条文の末尾に追加されている参照先の記載である。少々わかりにくいので、建築基準法第99条第1項1の場合を例として説明する(便宜上、本文カッコ内の文を省略している)。

◆オレンジ本の場合

第99条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項、第7条の6第1項又は第68条の19第2項の規定に違反した者

緑本の場合

第99条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項、第7条の6第1項又は第68条の19第2項の規定に違反した者
    ●法6条1項(建築の申請・確認)→22

 緑本では、第6条第1項の参照先をその概要とともに追加している。一方でオレンジ本では参照先の記入がない。これは、オレンジ本のほうが参照先記入の数が少ないということではない。その条文など参照先を追加する基準が異なっているのである。

 ここで注目したいのは、オレンジ本では第99条を読んだだけではどのような規定違反があった場合の罰則規定なのかがわからないということだ。これを確認するには、実際に第6条が書いてあるページを開く必要がある。しかし、緑本の場合は、確認申請に関する規定違反の場合であることが、大方予測がつくのである。
 オレンジ本も緑本もその参照先の記載の数を比較するなら、おそらくは同程度だと思われる。ただ、オレンジ本の場合は参照先の条文の概要(括弧書きの内容)までは記載されていない。この差は使い勝手に大きく響いてくるだろうと思われるのである。8割が緑本購入するという事実を鑑みれば「みんなの意見は案外正しい」のである。

※『「みんなの意見」は案外正しい』はジェームズ・スロウィッキー2004年の著作。今ならアマゾンの電子書籍で400円ほどで購入できる。

 

2.何が改定されたかを知る

 アンダーラインを引いていると、その個所の周辺の文にちがいを見出すことができる。今回は建築基準法の別表2にちょっとした違いを発見した。この違いの発見に対して、いろいろと妄想を膨らませるのは一級建築士を受験する者の特権である。その違いからは「国交省がナイトクラブの扱いを見直した」というストーリーを創作できそうである。

 おなじみ建築基準法別表第2は、用途地域内の建築制限である。用途区分を示す記号(い)から(は)までは、いわゆるホワイトリスト形式、そして、(に)から(わ)まではブラックリスト形式で書かれている。
 今年度の別表2は、以下の変更が加えれていた。

(へ)第二種住居地域内に建築してはならない建築物
昨年→三 劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場
今年→三 劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場又はナイトクラブその他のこれに類する政令で定めるもの

さて、このナイトクラブなるものは、以前はどこの用途地域で制限されていたかというと

(ち)近隣商業地域内に建築してはならない建築物
 二 キャバレー、料理店、ナイトクラブその他これらに類するもの

である。これを見てわかる通り、ナイトクラブは昨年まではキャバレーその他に類するものであったものが、今年は劇場、映画館などに類するものとして、より文化的な色彩の濃いグループに仲間入りしたのである。

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 では、ナイトクラブはその用途地域の勢力圏を拡大したのであろうか。去年までは近隣商業地域には建築できなかったナイトクラブは、今年からは建築できるようになった。そしてさらに、準住居地域にも建築できるようになったのである。

 ところで、ナイトクラブとは何か。おそらく明確な定義がないのは、1980年代に台頭したキャバクラの存在のせいではないか。キャバレーとクラブの中間に位置するキャバクラの勢力圏拡大により、おそらくナイトクラブの存在がそちらに引き込まれることなく、会員制、深夜営業、飲食免許によるカテゴリに属する、よりハイ・ソサイエティな存在としての生き残りをかける必要が生じたのではないかと思われる。あるいは、平均貯蓄金額が2,000万円近いと言われる高齢者を主要顧客とするためかもしれない。

 もともとクラブは会員制の社交場のことを指すのだから、政府がそこに新たな国策として業態を見出そうとしていたとしても、少しも不思議ではない。仮にこれをシルバークラブと呼ぶことにする。そして、そのクラブには必ず長寿の酒がおいてあり、そしてなぜか近隣には病院が併設されているのである。店員はすべて白衣を着ているかもしくは看護師の服装である。しかし、もしかするとこのようなクラブは既に存在しているのではないか。早速、調査を要する事案が発生したのである。

 

※追記

ナイトクラブに類する用途が、施行令第130条の9の2に追加されています。

23.今年は緑色の法令集を購入しました

 これまでしばらく休んでいたこのブログもそろそろ再開することにしようと思う。同時に学科試験の学習も再開するのである。まず手始めに法令集を購入した。昨年度までは日建学院のオレンジ本を購入していたわけであるが、今年は総合資格学院の緑本である。以前このブログで紹介したが、試験会場では概算で4対1くらいの割合で緑本の方が多く使用されている。さすがにこの数の差は無視できなくなってきた。
 
 総合学院の緑本では、インデックスが付属していない。かわりに、インデックスを請求するハガキが添付されており、早速自分の住所や電話番号を記載して投函した。投函したのが11月30日である。そしてインデックスが届いたのが12月6日ごろであろうか。
 送られてくるのは、インデックスシールだけではない。シールの他に、以下のものが同封されていた。
 
1.インデックス付法令集の活用方法
 この本には、インデックスシールの貼り方の他に、法令用語の読み方と引き方集がついてくる。例えば、法文で多用される「又は」「及び」「若しくは」「ならびに」などの接続詞の意味が解説されている。さらには、例題とともに、インデックスを活用した法令集の引き方が書いてある。

 インデックスに関しては、オレンジ本よりも使いやすく工夫されているようだ。緑本のインデックスは本を開く側(タテ)と本の上側(ヨコ)に貼りつける。問題文から必要な条文を検索するには、まずタテのインデックスを引き、次にヨコのインデックスを引くように工夫されているようだ。この点は、オレンジ本より使いやすそうである。オレンジ本でも、独自にインデックスを追加したのだが、2段階で引けるようにインデックスを工夫するのは至難の技である。

 

2.アンダーラインの引き方見本
 法令集のどこにアンダーラインを引くべきかが書いてある。初めて受験する人にはおそらく必須のアイテムになるはずだ。私の場合は、去年の法令集を参考にしながら、独自の記入方法を使って転記している最中である。独自の記入方法については、本文末尾を参照して欲しい。
 ところで、今回から新しくしたのは法令集だけではない。実は、赤青鉛筆をやめてフリクションボールにしたのである。以下の点を考えると、色鉛筆よりもフリクションボールの方が良さそうだ。
1)間違って書いた部分もそれなりに綺麗に消せる
2)鉛筆削りがいらない。
3)裏写りがさほど気にならない。写り込みの程度はおそらく色鉛筆と同じ。
4)筆圧が低くても線を引けるので、用紙が凸凹にならない。
 フリクションボールを購入する時に、赤と青を1本ずつ買うか、3色ペンにするか迷ったが、結局3色ペンにした。ペンを持ち替える必要がないので、割と楽である。ただ、ノックを何度も使うことになるので、本体がしっかりとした値段が高めのものを購入することにした。グリップがウッドのタイプである。私にとってグリップの肌触りは非常に重要なのである。
 
 昨年度は、更新された法令集を購入するのがだいぶ遅れた。前年度試験で使用した法令集をそのまま使えると思っていたのが、思いのほか改訂が多く、6月に慌てて法令集を購入し直したのだ。その時にわかったのは、前年度に使った法令集に引いたアンダーラインを、新規に購入した法令集に転記するのは決して時間の無駄ではないということである。アンダーラインを転記することで、法令集の内容を再認識できる。それに、いろいろと新たな工夫ができるのだ。今年は本格的に学習を開始する前に、まずこの処理をする。アンダーラインを転記するのは機械的な作業なので、私自身はそれほど苦にならない。本格的学習開始前のウォーミングアップには最適なのである。

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 さて、独自のアンダーラインの引き方についてなのである。重要な個所をマーキングするというよりは、基本的にわかりやすくすることに重点を置いている。主に、以下の要素に分けてアンダーラインなり記号なりを記入している。
1)数値は丸で囲んで、以降の「以上」「以下」は、赤の下線上線で示す。
2)「超える」「未満」の場合は、上記に青い線を重ねる。
3)括弧は青い線でなぞる。二重にかっこがある場合は、外側を二重線の括弧にする。
4)「又は」「若しくは」などは、青で「U」型の記号を重ね、「かつ」「及び」などは「∩」型の記号を重ねる。

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 追伸なのである。その後100円ショップでちょうどよさそげなケースを探していると、まさにぴったりのものがあった。これで十分なのである。いや、これがないと、法令集をカバンに入れるたびにせっかくつけたインデックスがボロボロになり使えなくなってしまうのだ。もし、法令集をカバンに入れる予定があるなら、100円ショップでケースを準備してからにすべきだ。実は、私もケースを購入する前に法令集をカバンに入れて早速インデックスの一部が破壊されてしまったのであった。

 

 

建築関係法令集 法令編〈平成29年版〉

建築関係法令集 法令編〈平成29年版〉

 

 

「2級電気工事施工管理技士」を受験してきました

 2016年11月13日日曜日、2級電気工事施工管理技士資格試験を受験してきました。
 その日は朝から晴れていて、絶好のお受験日和、最近の気候では暖かく、私も心持ち緊張感が薄れていました。試験場所は専修大学。我が家からはやや遠い。向ケ丘遊園の駅から徒歩18分、と受験票には書いてあった。しかし、実際の道程はもっと遠い。何と言っても、目的地の専修大学は山の上り坂の上にある。
 試験場所への道には例によって受験する者たちの列ができている。まあ、迷うことはないだろう。しかも、ご丁寧に、誘導員が随所に立っていた。試験の開始は午前10時からだから、まだまだ時間的には余裕があった。試験会場である専修大学の最寄駅である向ケ丘遊園の駅に着いたのは午前9時である。
 5分ほど歩いたところにセブンイレブンがある。喫煙中の受験者が店舗の前に溜まり場をつくっていた。まずは昼飯を調達する。例によって、お腹を壊さないよう今回もおにぎりを二個である。ついでにタバコを購入。気分的には落ち着いていたが、差し当たり私も一服してから専修大学へと向かうことにした。タバコを吸った途端、風邪をひいていたせいか、少し具合が悪くなった。
失敗した、と思いつつも、再び歩き出す。そこはすぐに上り坂になっていた。タバコを吸ったせいで随分と息切れがした。この坂は どこまで続くのだろうか。少し気が滅入りながら、トボトボと歩く。
 向ケ丘遊園というのは随分と洒落た駅名なのだが、なるほど、駅の向こうは小高い丘になっているのである。どこまでいってもキツめの上り坂が続いていた。その登りきったところに専修大学の校舎があった。
 
 その校舎は少し変わっていて、入り口を入ると下り階段しかない。つまり、全ての階が地下構造物なのである。敷地からはアトリウムを見下ろす形になっている。地下構造物というのは実は違っていて、急斜面に建てられた4階建の建築物であった。エレベータの乗り口がR階になっていて、2階に降るのである。後で、1階の入り口が何処にあるか探してみよう。
 
 10時試験に関する説明と、問題用紙、回答用紙の配布がされる。スマホを封印する茶封筒が用意されている。10時15分、試験開始である。
 施工管理技士の試験は、午前中にマークシート試験を行う。問題は電気工学、電気設備、関連分野、施工管理法、法規、の5つに分かれている。それぞれ、12問から20問程度のうち、6割近くを選択して解答できる。つまり、全問解答は不要であり、自分が解答に自信のあるものを選択すればよろしい。全て4択形式の問題である。そして、その多くの出題形式は「もっとも不適当なものを選択」する形式である。
 解答時間は2時間半、時間的に余裕があるので全問に対して解答する。解答しながら、問題文の先頭に、難易度を評価して「◯✖️△」をつけていく。選択肢を解答用紙に転記するとき、まずは「◯」をつけた問題を転記して、選択数が足りなければ、△をつけた中から最も自信がある解答を転記していく。
 途中、周りからは、コツコツという音が聞こえてくる。解答を選択した数が規定の数とあっているか、机上で数えているのである。もしも、規定の解答数を超えてマークをつけた場合は、減点の対象となるのだ。
 
 一般に、建築を学ぶものは電気理論に弱い。と思う。まず、インダクタンスやらファラデーの法則など、電気理論は目に見えない現象を捉えないといけない。構造力学は直感的な物理現象だからイメージしやすいのだが、電気理論はイメージが掴みにくいのである。実際に過去問を解いたとき、電気理論の点数が取れず、かなり焦った。しかし、2級の試験範囲はそれほど広くないので、克服するための時間はそれほど必要ではなかったのである。
 
 午後の試験は筆記式である。5つの問いに答える。
1)自らが携わった電気工事について、問題点と解決策を解答する。
2)電気工事に関する用語リストの中から2つを選択し、施工管理上の注意点を記述する。
2-2)電力会社と需要家(電力供給を受ける側)の接続部分の受電設備の名称もしくは機能について答える。
3)ネットワーク工程表の所要工事日数などを算出する。
4)発電システムや電設部材、工事に関する用語を書いたリストの中から2つを選択し、それらの技術的な説明を記述する。
5)建設業法、労働安全衛生法電気工事士法、それぞれについて短い解説文があり、誤った語句を指摘し訂正する。
 
 全体的に、さほど難易度は高くないと思った。問題集と参考書を購入し、1ヶ月ほどの学習で合格点を取れるのではないか。とくに、建築学を学習しているものにとっては取得しやすい資格ではないだろうか。管轄が経産省ではなく、国交省であるため、どちらかというと建築寄りの知識を試す問題が多いのだ。
 
 合格発表は来年の2月3日である。おそらくは受かっているであろうことを願っている。
 
2級電気工事施工完全攻略―学科+実地試験対応―

2級電気工事施工完全攻略―学科+実地試験対応―

 

 基礎学習のためこの参考書を使った。実地試験についてもある程度まとまっているが、実際の問題用紙は添付されていないので、回答のイメージがつかみにくい。私の場合は試験の実施団体である「建設業振興基金」のホームページから過去問をダウンロードして対応している。

 

最速合格!2級電気工事施工管理技士試験 学科 50回テスト (国家・資格シリーズ 251)

最速合格!2級電気工事施工管理技士試験 学科 50回テスト (国家・資格シリーズ 251)

 

 自分の弱点と思われる電気理論をカバーするために購入。全部で50回分を分野別に分けて掲載しているので、特定分野を学習しやすい。1回ごとに回答と解説が載っている。1回分は7問から8問を2ページに掲載し、次の2ページで回答と解説を掲載。使いやすい問題集だと思う。

22.平成28年度の試験はどうだったか

本日一級建築士試験を受験したみなさんお疲れ様でした。(本当は昨日だけど)

 
さて、今年2回目の当方の受験はどうだったか。
 この1週間、毎日学習を繰り返してきた。そして今朝、試験会場である早稲田大学に向かったのである。昨年は猛暑の中であったが、今年はやけに涼しい。しかし私の顔つきは涼しくはない。
 東西線の早稲田の駅を降りて、皆が歩む方向についていく。昨年は昼食を用意せずに失敗したのをふと思い出した。近くにあるコンビニで早速おにぎりを2つ、そしてチョコレートを買っておこう。例によって配られるビラはとりあえず貰っておく。
 今年の試験会場には時計がない。試験官が時計を持っていない人がいないか確認している。ちなみにAppleウォッチなどのスマートウォッチは使えないらしい。携帯電話と同じように封筒に封印するよう指示があった。
 
 2回目の受験は勝手知ったる状態で、まずは計画と環境設備の試験である。例によって時間が余った。幸先よいスタートを切れた感じがある。そして、昼を挟んで法規である。ここが鬼門なのだ。例によって法例集の色を確認する。やはり緑色の本が多い。おそらく70%は緑本である。オレンジ本は30%ほどであろうか。
 
 ここで、今年の失敗を白状する。実は昨年購入した法令集を使う予定で6月まで頑張っていたのだが、6月の末頃にやはり今年度の法令集を購入した。アンダーラインやインデックスの貼り付けに時間を取られることを考えて、しばらくは昨年度の法令集を使い続けていたのだが、日建学院の模試を受けて、ずいぶんと改定項目がある事を知った。特に法規が苦手な私にとっては、古い法令集を使うにはやはり不安がある。新しい法令集にアンダーラインを引き、そしてインデックスを貼り直すのに1日半を要した。それでも、アンダーラインの引き直しは法例集の内容を再確認する事になり、いままで気がつかなかった法文の構成にも気づくことができた。これは効果があるかもしれない。皆さんにもオススメである。できれば法例集が発行される12月の時点で買い直したほうが良さそうである。もちろん今年合格予定の方はその必要はない。
 ふと見ると、隣の受験者はなんと2009年の緑本を持っていた。その前の人は2014年度版である。以外と古い法令集を使っている人も多いようだ。しかし、見るからに本の厚みが違う。法例集の厚みにやる気が表れているようにも思えた。
 
 法規の試験は結局時間が足りない。他の科目は30分の余裕があった。それを考えると、やはり法規は十分に時間内に解く訓練を積むべきだと反省した。
 
 さて、試験が終わり、帰りがけの喫茶店で早速解答を採点してみた。例によってウラ指導の採点システムに登録したところ、なんと82点である。今年もやはり合格は厳しそうなのである。あともう一年、このブログを続けることになりそうなのである。

21.いよいよ学科試験まであと2週間なのである

再来週の日曜日はいよいよ一級建築士学科試験である。この2週間でどれだけ学習できるかが勝負なのである。といいつつ、こと一級建築士の学科試験につてはいまさらジタバタしても仕方がない気もする。ということで、私は現在くつろいでいる。くつろいで、を装いつつ、喫茶店でこのブログを書いている。

そんなわけだから、おそらく試験前のブログ記事投稿はこれが最後になるであろう。この試験前の最後のブログでは、以下の2点を報告しておこうと思う。
 
1.切羽詰まった時に心を落ち着けて読みたい一冊
実は、この本は2ヶ月前くらいに購入し、たまに目を通していたものだ。建築計画に対する対策本として購入したものである。その名も『コンパクト版建築史』なのであるが、全然コンパクトではない。それでも、B5版の見やすさは、老眼の私にとっては実にありがたいのである。しかも、形状を記憶するのが得意な私にとっては、その名称との一致についてはなかなか難しい。その点、この本を読み進めながら実際の建築物の写真を眺めることで、何となくストーリーと共に名前も記憶に残っているような気になるものである。というよりも、何となく眺めていて楽しいのである。この楽しい感覚は学習脳の一番の栄養源になるはずだ。
 
2.構造設計に関する感覚を身につけたい
構造設計屋という職業があるらしい。実際に姉歯設計などがそうであった。この分野はコンピュータによる技術革新が進んでいて、建築分野の中ではコンピュータグラフィクスによるパース作成などのデザイン系と双璧をなしている。同じ建築系の人間でも、技術系とデザイン系では全く人種が異なるところが面白いと思う。ちなみに私自身は建築系のコンピュータソフトウェアを販売する側だったので、両方のソフトウェアと人種に触れることができた。
大分横道に逸れた。「株式会社ストラクチャー」という構造計算用のソフトウェアを開発している会社があり、その会社が「建築構造データブック」というiOSアプリを無償で配布している。内容もすこぶる分かりやすい。構造計算は何とかなるのだが、構造設計に関する設問に弱い、例えば耐震計算ルートなどと聞くと、ついつい横道に逸れたくなる方にオススメである。ただし、今のところiPad専用である。従って、iPadユーザーで一級建築士を目指す諸氏にはすこぶるオススメなのである。
 
そういったわけで、実は明日は学科試験の模試を受けるのである。そのため、本日は期日前投票を行ってきた。期日前投票というのは、近くの投票所ではない事を除けば、至ってごく普通の投票である。そんなことに初めて気づいた自分に驚いた自分に驚いている。
都知事選と学科試験の本番も重なるのではなかったか。今から心配しても仕方がないのだが、多少心配なのである。

 

コンパクト版 建築史 日本・西洋

コンパクト版 建築史 日本・西洋