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一級建築士資格独学散歩道

一級建築士資格取得までの道のりを散文的に綴ります。

5.製図スピードを速めるためには?

 シャープペンシルを回しながら、図面を描くことは結構楽しい。今年の学科試験はほぼ不合格と見限って、余裕を持って来年の製図試験に臨む、というおかしな意気込みのせいでそう思えるのかもしれない。根拠のない心の余裕が、図面を描くことを楽しくさせているようだ。白い製図用紙が線や文字で埋まっていくのを見ていると、えも云われぬ達成感があるのだ。

  しかし、来年の製図試験までに達成しなければないのは、課題に沿った建築物を短時間で設計し、そして図面を起こすことである。つまり、すでに設計されたものをトレースするだけでは不十分だ。ならば、まずは設計手法を学ぶべきではないか。順番が逆ではないのか。それでも敢えて私は図面のトレースから始めることにしている。そう考える理由は、以前取得したシステム監査などのIT系の資格試験を受験した時の経験による。


 情報処理推進機構IPA)が主催する情報処理技術者試験の中でも、高度試験と云われる分野では、午前中のマークシート試験に加え、午後に論述試験、それと3千文字程度の論文試験が加わる。この論文形式の試験対策で私が最初にやったことは、論文の模範解答をそっくりそのまま書き写すことだった。まずは、どの位のスピードで文字を書くことが出来るのかを測る。この時、ある程度の読みやすさでどれ位の時間を要するかが問題であり、内容は二の次である。もし、文字を書くために多くの時間を要していれば、それだけ合格する論文を書くことは難しくなるのだ。
 
 このひたすら文字を書き写すという経験で分かったことは、できるだけ筆圧を下げて、かつ連綿しないように文字を書くこと。そうすることで、それなりの読みやすさで素早く文字を書くことができる。製図についても同じことが言えるのではないか。例えば濃く描きたいところは筆圧を強くするのではなく、同じ筆圧で素早く2回に分けて描くことで、図面にメリハリをつけることができるのではないかと考えている。図面を描くスピードが早まれば、その分プランニングやエスキースにかける時間に余裕ができるはずである。ある情報によると、それなりの素人が製図試験に受かるためには40枚の図面を描かなければならないらしい。つまり体で覚えるのである。確かに、40枚も図面を書き続ければ、考えることなくエスキスに従って図面を描くことができそうだ。私の目指すところは正にそこである。
 
 しばらくの期間、土日には製図試験対策として、とにかくトレースを繰り返すことにした。これはある意味、修行のようなものだ。その間の平日には、設計条件からエスキースを書き出す練習をする。来年の1月まではこの修行を続けなければならない。そして、これは決して苦行ではない。自分が設計したものが、いずれは現実に建築されるはずだ。もちろん、現実にはそうならない。だが、この思い込みが受験に合格するための私の秘訣なのだ。歯を食いしばって頑張って試験勉強をしても、その知識や動作が簡単に身につくことはない。むしろ、やっている事の中にある不思議や驚きを見出すことで、自らの血肉となるのだ。

 

ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ 0.5mm PG1005

ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ 0.5mm PG1005

 

  先月、製図用品を探しに高田馬場の文房具屋に行ったとき、ついでに製図用のペンを探していると、大昔に使っていたものが全くデザインを変えずに店頭に並んでいるのを見て驚いた。この製品にはデザインを変えないだけの完成度がある。一つはその軽さと堅牢さ。そして、クリップが取り外せる構造になっている。たぶんペンを回すときに邪魔に思う人もいるのだろう。

 そして、なんといってもグリップの構造に秘密がある。いや、秘密などというほどのことではないのだが、要するにペンを回す感覚が指にはっきりと伝わってくるのだ。ラバーが縦長3段のエンボスになっており、ペンを回すとエンボスに何度触れたかでどのくらい回したかの感覚をつかむことができるのだ。といっても、誰もそんな厳密なペンの回し方をしているわけではない。しかし、私が過去にこのペンにこだわった理由が、そんな些細な理由なのである。

 

 ちなみに、もろもろの資格試験で愛用してきたのがパイロットの木軸のシャープペン。文字を書くときの感触がよく、疲れない。