一級建築士資格独学散歩道

一級建築士資格取得までの道のりを散文的に綴ります。

20.◎たいへんよくできていました『ゼロからはじめる建築の[施工]入門』

 私の弱点は建築法規である。その弱点を克服しようと購入した『ゼロからはじめる建築[法規]入門』であるがこれがまたすこぶるよかった。どこが良かったかというと、図が多いことである。図が多いと何がよいかというと、イメージで記憶しやすいのである。
 どうやら、イメージは記憶に重要な働きをもたらす。記憶には主に2種類ある。一つは意味記憶でいわば言葉とそれを指すものを結びつける記憶の方法だ。最も身近なのは人の名前だろう。世の中には人の名前を覚えられなくて困っている人がたくさんいるらしい。実は私ものその中の一人である。  

  もう一つはエピソード記憶である。要するに物語を記憶する。私たちはその人の名前を覚えていなくとも、その人がどういった人かを覚えているものである。「ほら、あのひとなんて言ったっけ、すごく怒りっぽくて一回社長と大喧嘩して首になりそうになった……」というのはまさにエピソード記憶の典型例だ。このように、エピソードを思い出しているときは頭の中には何らかのイメージが形作られているのである。

 意味記憶は若い人が得意であり、エピソード記憶は特にお年寄りが得意とすることが多いらしい。多少ぼけても昔の出来事は結構覚えているものだ。そういったわけで、私のような中高年にはエピソード記憶が武器になるのである。
 
 そこで、この『ゼロからはじめる…』シリーズの登場となる。特に今回は[施工]だ。施工こそエピソードで記憶しやすい科目だ。工事の工程などはまさにエピソードそのものだろう。しかし、エピソードを記憶するためにはイメージを頭に浮かべる必要がある。
 小説を読むときに登場人物の顔や街の様子などがイメージできないと何とも小説を読んだ気にはならない。そういった表現力のない小説のストーリーなどは結構すぐに忘れるものである。小説であればまあよい。これが、建築施工ともなると、例えば「ベーン試験」とか「トルシア形高力ボルト」とかいわれても、さっぱりなのである。まず、それがどのような形状をしているかと共に、どういうときにどう使かを知らなければ、試験への解答は難しい。つまり、そのもののイメージを絵で見て記憶する必要があるのだ。
 そんな時には、この『ゼロからはじめる…』シリーズなのである。まさに[施工]は[法規]よりも「買ってよかった!」感が2倍であった。今度は『ゼロからはじめる建築[構造]入門」を購入する予定である。ちなみに『ゼロからはじめる建築の[設備]教室』はKindle版を購入したのだが、iPadMiniで読んでもさほど苦にならない。ただし、Kindleで読むには少し字が小さい。
 
◆『ゼロからはじめる…』シリーズからのTips
 

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 試験まであと2ヶ月を切った。これから『ゼロからはじめる…』シリーズを購入して全部を読むのは難しいかもしれない。しかし、この本には結構すぐに役立つTipsが書かれている。例えば、擁壁の土圧である。「受働土圧」「静止土圧」「主働土圧」である。言葉からは状態をイメージしずらいのだが、この本にはイラストがあった。受働土圧とは、土が壁から受ける土圧である。土が働きを受けるという意味だ。主働土圧とは、土が主に壁に働きかけるときの土圧である。
 そして、これらの力の大小関係は、「受働土圧」がカウンターパンチで、「主働土圧」がスウェイで受けるパンチだそうだ。これを図を見ながら理解すると、すっと頭に入ってくるのである。

 

ゼロからはじめる建築の「施工」入門

ゼロからはじめる建築の「施工」入門

 
ゼロからはじめる建築の「設備」教室

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